このブログはNHKとは関係のない個人(私)が、NHK FMラジオで放送された「ラジオ深夜便」の一部の番組内容をメモとして残しておくことを目的としています。ほぼ毎日の内容を不定期に更新していきます。
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二宮尊徳 映画館色つき

演芸特選 の記事(8件ごとに表示)

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2008/2008, 7/3木 演芸特選 落語 「へっつい幽霊」五代目 柳家小さん 「普段の袴」林家彦六 Thu Jul,3 2008
2008/2008, 6/25水 演芸特選  落語「お直し」 五代目 古今亭志ん生 Wed Jun 25,2008
2008/2008, 4/3木 演芸特選 落語 「長屋の花見」五代目 柳家小さん 「強情灸」五代目 柳家小さん Thu Apr 4,2008
2008/2008, 3/5水 演芸特選 落語 「かるわざ」二代目 桂小南  「道具屋」五代目 柳家小さん Wed May 5,2008
2008/2008, 2/28木 <演芸特選> 落語 「七段目」春風亭小朝   「たいこ腹」六代目 春風亭柳橋 Thu Feb 28,2008
2008/2008, 2/27水  <演芸特選> 講談「正直車夫」四代目 邑井貞吉  落語「稲川千両幟」七代目 雷門助六 Wed Feb 27,2008
2008/2/6水 演芸特選  落語 「寝床」八代目 三笑亭可楽  「二十四孝」三代目 春風亭柳好 Wed Feb 6,2008
2008/1/31木 <演芸特選> 落語「御神酒徳利」三代目 桂三木助 Thu Jan 31,2008
2008/1/30水 <演芸特選> 落語「文七元結」 五代目 古今亭志ん生   粋談 柳家三亀松 Wed Jan 30,2008
2008/1/29火 <演芸特選> 落語  「初天神」六代目 三升家小勝 「黄金の大黒」二代目 三遊亭百生  Tue Jan 29,2008
2007/10/4木 演芸特選  「牡丹燈籠」林家彦六 「粋談」柳家三亀松  Thu Oct 04,2007
2007/9/27木 <演芸特選>落語 「目黒のさんま」三代目 三遊亭金馬  「たいこ腹」六代目 春風亭柳橋 Thu Sep 27,2007
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1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
 アンカー Anchor 川野一宇(Kawano-Kazuie)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. へっつい幽霊」 五代目 柳家小さん
     マクラは博打について。
     博打で調子良くもうけた男。その金でへっついを買うことにして、へっつい屋に入る。中古のへっついに目をつけ尋ねると、すぐ売れるがへっついから幽霊が出るというので二三日で返品されるという。店の信用に関わるので壊そうとしているので、返さないことを条件にただでもらってきた。
     帰ってくると行燈の下で飲んでいるうちに眠ってしまう。真夜中にぞくぞくして目が覚める。へっついから青い炎が上がり、男の幽霊が出てきた。度胸のある男は幽霊と身の上話をする。幽霊は自分のことを話し始めた。自分は左官屋の半次といい、博打が好きで、ある時わずかばかりの銭で博打をして百三十両という大金を手に入れた。百両をへっついに塗り込んでおいて、残りの三十両でぶらぶら暮らしていたら、ある時往来で頓死をしてしまった。いい加減なところへ埋められて、浮かばれないので、百両をお寺に収めて、坊さんにお経の一つもあげてもらって、浮かばれようと思い、出てきて頼むのだという。男は出してやってもいいがへっついは自分の物で壊すと使えなくなるので、出してやったら五十両づつ分けようということになり、百両を取り出し半分をもらった。
     残った半分を見ていた幽霊は、ため息をついた後、五十両をかけて博打をしようと提案する。幽霊は半にかけ負けてしまうが、もう一度勝負をしようという。「おい、おい、馬鹿なこと言うなよ。お前、もう一文無しじゃねえか」「いや~、親方、心配しちゃいけません。あっしも幽霊ですから、決して足は出しません」

  2. 普段の袴林家彦六
     おなり街道の道具屋の店で、煙草盆を前に座っているお武家様は寸分のすきもないいい身なり。上等な銀の無垢で出来たキセルに火を点けて煙草を吸っていると店の中の掛け軸に目が留まる。落款はないが谷文兆の作品と聞いて「さすがは文兆である」と感心する。するとこの溜息がキセルの中を通って火玉を吐き出す。それが袴の上に。
    「お殿さま、お袴の上に火球が落ちました」「妙な匂いがしたと思うたら、みどもの粗忽か。心配いたすな、これは普段の袴だ」
     これを見ていたのが八っつぁん。俺もやってみようと大家さんの所で何とか袴を借りて例の道具屋へ行く。これから八っつあんは先ほどのお武家の真似をしようとするが、散々失敗をして掛け軸を褒めるが火玉が出ない。しようがないからというので、直に口をキセルへつけてフーッ。これが袴の上じゃなく頭の上へ。
    「お客さま、つむりに火玉が落ちました」
    「なぁに心配するねぃ。普段の頭だ」 

  • ここでいう「へっつい」は移動式のかまどです。30年ほど前までは四国の田舎の荒物屋で売っていました。(小生)
  • 丁半ばくちは、二つのサイコロの目の合計が偶数の場合には丁(ちょう)、奇数の場合には半(はん)となります。(小生)
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1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 水野節彦(Mizuno-Sadahiko)

     ♪演目 playlist♪
  1.  「お直し」 五代目 古今亭志ん生
     花魁(おいらん)も歳を重ねてくると、お茶を挽くことが多くなる(客が付かない、どうしても人気がなくなる)。
    そんな日が続くうちに花魁は店の男衆の”ぎゅう”に親切にされ、”ぎゅう”に入れあげてしまった。色街での男女の交際は御法度になっている。そこは目の利くご主人だけあって、二人を奥に呼びだしてきつく意見をした。見世替えも出来ないだろうから、花魁は自由の身になったという証文を書いてあげるから二人一緒になってこの店で働きなさいと、優しい言葉を掛けてもらった。
     二人は次の日から店に出て、花魁は名前が変わり”おばさん”(やり手ばばあ)となって、客と花魁の仲を取り持つ事になった。亭主は表に出て嘘八百で客引きをして見世に上げ、入った客をおばさんが手玉にとって、持ち金を巻き上げて、一生懸命働いていた。
     夫婦で働いて小銭も貯まってきて、ゆとりも出てきた。女は生活に張りが出てきたが、男は逆にこの金で・・・、と別の場所で女遊びをするようになった。男は夜遊びが過ぎてその挙げ句、バクチにも手を出して深みにはまってしまった。その為見世にも出ず、家財を売り払って、女房も義理が悪くなって見世も辞めてしまった。今更、目が覚めたと言ったって、どうしようもないとこまで落ちてしまった。
     男は友人から羅生門河岸の「けころ」の見世に空いたのがあるから、そこで稼いだらどうだと知恵をつけられてきた。女房に話をして、店の若い衆は男とがやり、女房を口説いてけころの女をやらせることになった。女房はしぶしぶ引き受けて,「けころ」の商売のやり方を男に教えた。
     まず、客にお愛想を言いながら、200文のところ「お直しだよ」と声を掛けて400文にし、またお直しと言って600文というように上げていく。そうやって値段を上げていく。しかし女房は男がヤキモチやきだからうまくできるか心配している。女房の方も見栄も外聞も捨てて、厚化粧して見世に立った。
     見世は羅生門河岸の「けころ」と言われるところで、路地を入ると両側に女が立っていて、客引きをしている。そのなかの一つを借りてで商売を始めた。
     男は路地で客引きをして、何人目かで職人を連れ込んだ。「けころ」になった女房は職人といちゃつき始めて、「よそで浮気ナンぞをしたら嫌だよ。お前さんが好きだから。」それを聴いた亭主は表でふてくされ、ヤキモチ焼いて「お直しだよ。直してもらいな」と声をかける。女房は客の職人に向って「直して頂戴。私はお前さんと夫婦になりたいよ。」、職人「俺は良いよ。俺は一人もんだから。で、どの位借金があるんだ」、「30両」、「その位なら今度来る時、持ってきて上げるよ」。男はふてくされて「お直しだよ」。職人「分かったよ」、女房「私はお前さんにぶたれたって、殺されたっていいよ」、「俺はそんなことしないよ。そっとぶつよ」。男「直してもらいな」。女房「お直しだよ」、職人「分かった。今度はあさって来るからな」。
     やきもち焼きの男は、あの職人が30両持ってきたら女房は朝男と夫婦になるのかと本気で怒り出す。女房は仕方が無いからやっているんじゃないか、お前さんと別れたくないからやっているんじゃないかと泣き出す。男も機嫌を直して夫婦が仲良く相談していると、一旦出て行った先ほどの酔っぱらいが戻ってきて、中を覗いて、
    「直してもらいな」。

  • 古今亭志ん生が明治時代に遊んだ吉原のエピソードを枕にしていました。噺の初め3分の1ほどが枕でした。(小生)
  • けころ」は現在で言えばぼったくり風俗営業になるでしょうか。しっかり者の女房と間抜けな男が、好ましい夫婦として江戸の遊郭の隅に暮らしている様子が語られています。(小生)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 川野一宇(Kawano-Kazuie)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 落語 「長屋の花見」五代目 柳家小さん
     大家から長屋一同へお呼び出しが掛かった。とどこおった家賃の催促かと、恐る恐る行ってみると、あに図からんや、大家のおごりで一同お花見に繰り出そうという嬉しい話だったが。大家さんが一升瓶を3本、卵焼きと蒲鉾を用意したというが、お酒というのは番茶を水で割ったもの、卵焼きはタクアン、蒲鉾は大根を月型に切ってある。そこは貧乏長屋の住人。誰もお酒を買うお金がない。仕方ないから、お茶を「オチャケ」と称して、花見をはじめます。景気のいい作り話をしてみたり、筵のことを毛氈と言ってみたり、そうこうするうちに車座になって酌み交わし始めます。皆下戸だといって遠慮するので、とうとう月番の男が酔ったふりをすることになります。
    酔っ払った振りをした男が「大家さん、いい事あるぜ」、大家「ほう、分かるのかい」、男「酒柱がたってらぃ」。

  2. 落語 「強情灸」五代目 柳家小さん
     ある男が陽気の変わりに冷え込んで腰が痛いという。見舞いにきた友達が具合を尋ね、医者にかかっているのかと聞くと、すぐ注射を打つのでかかってないとのこと。伊勢六の隠居に逢ったら、灸を勧められ、小さな灸を二つ据えてもらった。その灸が大変熱く、歯を食いしばってがんばり三本歯が折れたという。ご隠居に、後は上から自分で据えていけばいいと言われて、とうとう昨日はおでこに据えたという。大変な勘違い。そこで見舞いにきた男が据えてくれるというが、並大抵の熱さじゃないからと言われる。それを聞いて見舞いにきた男は、灸の見本を見せてやると腕にもぐさをアイスクリームみたいに詰んで火を付けた。それを見て、やめるように言われ、石川五右衛門や八百屋お七の話を聞かせる。煙が出てきて、さらに吹いて火を大きくする。
    しかし、次第に火が回ってくると。「気の持ちようでどうにでもなるもんだぞ。石川五右衛門は、石川・・くくっ、へへへっ、あーっ、冷てえ」「強情な野郎だな。熱かったろう」「いや、おれは熱かねえが、五右衛門は熱かったろう」


  • 毎年「長屋の花見」はこの時期に良く放送されます。楽しい長屋連中です。(小生)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 須磨佳津江(Suma-Katsue)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 落語「かるわざ」 二代目 桂小南
     伊勢詣りの途中、村の神社に見世物小屋が出たのを見物に行く。たくさんの見世物小屋に入り、だまされたといいながら次々と面白そうな見世物を見物する。軽業小屋へ 入ると、長口上(ながこうじょう)をしているうちに高いところから太夫が落ちてしまった。
    「太夫さん落ちた、どした(怪我は?)」「ああ痛い、痛い」「どこが痛い」「足が痛い、頭が痛い、腰が痛い」「何処が痛いんじゃ」「軽業(体)中が痛い」

  2. 落語「道具屋」 五代目 柳家小さん

     遊んでいる与太郎に叔父さんが大道の道具屋でもやってみろと諭す。売るものは火事場で拾った鋸、首の取れるおひな様など、ろくなものがない。掛け値をしてもうけはお前のものなのでがんばるように激励され、蔵前の大きな屋敷の塀外に道具屋が並んでおり吉兵衛さんを訪ねていくよう教わる。吉兵衛を訪ね、場所をもらって商売を始める。客がやって来て、鋸の焼きが甘いと聞かれるので、火事場で拾ったので焼きは十分だと答える始末。燭台も足が取れていることをばらしてしまう。次に短刀を見せ、抜けないと尋ねられると木刀だと答える。
    「木刀引っ張って何処が抜けるんだい」「木刀が抜けたら何が出てくるかと思って...」「何を馬鹿なこと言ってやがる」「もっとすぐ抜けるのはねえのか」「お雛様の首の抜けるの」道具屋でございます。

  • かるわざ」は鳴り物がにぎやかで、お祭りの見世物小屋を見ているような気になりました。軽妙な語り口でした。(小生)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 宮川泰夫 (Miyakawa-Yasuo)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 落語 「七段目春風亭小朝
     ある大店の若旦那は芝居道楽で今日も芝居を見に行っています。父親の旦那はそれを快く思っていません。使いから帰ってきた若旦那は旦那に呼び出されます。旦那の前で若旦那は絞られるかと思えば、若旦那は歌舞伎の文句で受け答えします。堪忍袋の緒が切れた旦那は、思わず若旦那の頭をポカリと殴ってしまいます。若旦那は殴られても芝居ががって受け答えます。そこに番頭が中に入って芝居仕掛けで旦那をなだめます。
     とうとう若旦那は二階へやられてしまいます。二階でも芝居の真似をする若旦那、旦那はうるさいと、丁稚をやって芝居の真似を止めるように言いつけます。ところが、丁稚も芝居がかった声で呼びかけます。すると今度は若旦那と丁稚で芝居の掛け合いを始めてしまいます。二人で忠臣蔵の七段目をやろうと言うことになります。二人は芝居に熱が入り、丁稚は階段から転げ落ちて目を回してしまいます。驚いた旦那は丁稚を介抱して「お前、てっぺんから落ちたのか」ときくと、丁稚は「いいえ、七段目」。

  2. たいこ腹」六代目 春風亭柳橋
     人には楽しみがそれぞれあるようです。変わった遊びをしたいという方がいて、「針」をやってみようとしました。畳や空気マクラでは張り合いがないので、そこにいた猫に針をしてみますと、針をしょったまま怒って逃げてしまいます。
     ある旦那が幇間(たいこ)もちの一八(いっぱち)に目をつけ、針をしてみようと思いつきます。旦那はお茶屋に一八を呼び出し、「私は凝ったものがあるから協力してくれ」と何のことか明かさずに一八からまず承諾を取ろうとします。そこは幇間持ちの一八です、おっしゃらなくても旦那がやりたいことは分かっています、と旦那の趣味を野球だ、玉突きだ、ゴルフだ、小唄だと挙げていろいろよいしょします(ここがけっこうな聞かせ所になっています)。旦那は「針」を打つと言う。一八は自分の体に悪いところは無いからと逃げようとしますが、旦那は針を一本打てば1000円お前にやると言います。考えた末に一八は針を打ってもらうことにします。腹に何本か針を打つうちに、打った針が折れてしまいます。中に入って取れないからと迎え張りを打つことになります。するとその針も折れてしまいます。旦那は真っ青になり御茶屋から飛び出してしまいます。
     それを見たお茶屋の女将が心配になって二階へ上がってきます。女将が「旦那が顔色変えて出ていったよ、またしくじっちゃったのかい」と聞くと、一八は「旦那が針に凝っちゃって、これごらんなさい」。それを見た女将「冗談じゃないよそんなにされて。お前さんも散々鳴らした幇間(たいこ)じゃないか。いくらかなったのかい」。一八泣きべそをかきながら「いいえ皮が破けてなりません」


    春風亭小朝(しゅんぷうてい・こあさ 昭和30年・1955年3月6日生まれ )
     落語家、俳優。東京都北区出身。本名は花岡宏行(はなおか・ひろゆき)。前座名は春風亭小あさ(読み同じ)。1980年真打昇進。36人抜きで話題となる。1987年初代林家三平の次女・泰葉と結婚。2007年泰葉と離婚。

    六代目 春風亭柳橋(しゅんぷうてい・りゅうきょう、明治32年・1899年10月15日生まれ - 昭和54年・1979年5月16日死去)
     東京都文京区出身の江戸噺家。本名、渡辺金太郎。NHKラジオ「とんち教室」(1949‐1969)のレギュラー。

  • 七段目」のまくらで今の歌舞伎役者達の面白い話をしていました。春風亭小朝さんのスピーディーな噺に会場を埋めた若い客達の華やいだ笑いが聞こえてきました。会場の客層にあわせたのでしょうが、もう少しゆっくりやってもらったほうが小生のような中年には聴きやすく思いました。(小生)
  • 春風亭栄枝(しゅんぷうてい・えいし)さんからお便りをいただきました。栄枝さんは今年の7月にブラジル公演にいかれるそうです。ご成功をお祈りします。(宮川アンカー)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 水野節彦 (Mizuno-Sadahiko)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 講談「正直車夫」四代目 邑井貞吉(むらい・ていきち)
     雪の積もった寒い夜。(人力車の)車夫が客待ちで街角に座っている。そこへある巡査が通りかかる。巡査はその車夫が股引(ももひき)をつけずに足が剥き出しになっているのをいぶかしく思い訳を尋ねる。車夫は答えて、女房と母親と子供が腹をすかせて待っているので、股引は質入し、こんな雪の日にも客を待って稼ぐつもりだという。巡査は気の毒に思って質入した股引を自分の金で請け出し、車夫に与えた。車夫は感激し、ご恩返しをしたい。しかし物覚えが悪いので名前を伺っても忘れてしまうかも知れないので、どうか巡査の顔を拝ませて欲しいと頼んだ。「山と山とは出会わぬものだが、人と人とは出会うもの」どこでまた出会わぬとは限らない、と巡査は顔を見せて帰っていった。
     やがて車夫は家に帰り、その話を母親と女房にして寝た。翌日仕事を終えて風呂から帰ってくると、女房が客の忘れた紙入れ(財布)を車の布団の隙間から見つけている。車夫は先ほどの客だと気が付き、早速探し回ってその紙入れを持ち主に返した。正直な車夫に礼のしるしだからと5円渡そうとするが、そんなにいただく理由は無いと、車夫は50銭に値切ってしまう。
     また毎日の仕事に励む車夫である。ある日のこと紙入れの持ち主が車夫の家にお礼にきた。その旦那は、ある人に金を貸して抵当に10台の車(人力車)を設定したのだが、金が返せずその車が旦那の手に落ちたという。そこで旦那は車夫に、ある時払いの催促無しでその10台の車を受け取って、車の帳場の親方をしてはどうかと提案する。車夫は寝たきりの母親、心配性の女房、出来のいい高等科の息子のことを考えてその提案をありがたく受ける。旦那は近くに車屋をするのにいい物件があって、手配しとくから身一つでおいでという。
     親方になった車夫は威張ることも無くまじめに商売をやっていく。ある日、牛肉屋の前でやせ衰えた病人のような男とすれ違う。車夫は雪の降る晩に股引を請け出してくださった巡査ではないかと問いただす。その巡査は気難しい上役の機嫌を損ねて免職になり、いまは学問で身を立てようとしているという。久しぶりに逢えたので車夫はその元巡査を自分の家に連れて行き、二階で学問し暮らしてはどうかと申し出た。
     正直の車屋さんが昔の恩人にご恩返しをしたという正直美談、一席といたします。

  2. 落語「稲川千両幟」七代目 雷門助六(かみなりもん・すけろく)
     稲川という力士、大阪から江戸へ出て来たが、十日間全勝をしても贔屓(ひいき)が出来ない。大阪へ帰ろうかと考えているところへ、汚い乞食(こじき)が現れて蕎麦(そば)をおごるから食ってくれという。稲川は、乞食の持ってきた蕎麦だから断らるかと思ったが、「江戸へ来て初めて聞いた贔屓の言葉、こんな嬉しいことは無い」と快く蕎麦を食べた。  乞食の正体は魚河岸(かし)の若い者頭の辰蔵という男で、乞食が合図をして大勢が酒肴(さけ・さかな)を運び込んできた。十日間の相撲を桟敷を買い切って見物し、稲川に惚れ込んだので贔屓にしようと思っていたのである。約束通りこれから河岸全部が贔屓となり、江戸でも人気が出て千両の幟を立て錦を飾って上方へ帰った。  稲川千両幟の序でございます。

  • 正直車夫」の話は前半が明治10年発行の修身の教科書「明治孝養録」の四巻めに出てきます。その話しを元ネタとし、いくつかのバージョンが出来ています。(小生)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 須磨佳津江(Suma-Katsue)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 寝床」八代目 三笑亭可楽
     今夜は旦那の浄瑠璃の会。お師匠さんに来てもらい、料理番を呼んで支度をしている。こまごまとした指示を出している。旦那は番頭の茂蔵を長屋へ使いに出し浄瑠璃会の開催を知らせにやる。茂蔵が帰ってきて、来られない人もあるという。
     ご隠居は風邪、木村さんのばあさんは神経痛、金物屋は無尽、頭は明日朝一番で成田に出かけるのでもう寝巻きに着替えている、魚屋はかみさんが臨月、提灯屋と豆腐屋は仕事が入っている、結局誰も来ない。
     仕方がないので、店の者に聞かせることにする。ところが、番頭は昨夜の接待で二日酔い、三吉はおととい物干しから飛び降りて足を怪我、万之助は胃酸過多、金治は結膜炎、旦那の奥さんはお里に用ができた、ばあやは坊ちゃんを寝かしつけている。仕方がないので茂蔵に聞いてみると、三年前にした盲腸の手術のことを言ったりして自分も浄瑠璃は聞きたくないそぶり。
     旦那はかんかんに怒って、長屋の連中を店立て(追い出し)するという。店の者には暇を出すと言い出して大騒ぎ。困った番頭の茂蔵が旦那に取りなして長屋のみんなを呼び、旦那に語ってもらいたいと頼む。旦那は臍を曲げたままだめだと断るが、「芸惜しみをしている」などと説得されて、結局会を開くことになる。
     皆、料理や菓子を食べながら、とてもしらふでは聞けた声ではないと酒を飲んで酔っぱらって神経を麻痺させようとする。今日は御簾内で、浄瑠璃が始まる。そのうちに会場が静かになる。旦那はみんなが聞き込んでいるのかと思って、見てみると皆ごろごろ寝ている。怒鳴って皆を起こす。そんな中、小僧の定吉が泣いている。どこが悲しかったと尋ねる。悲しかったのは先代萩の嘆きのところか、阿波の鳴門の別れのところか、ときいても、そんなんじゃないという。「ここです」と指を差す。「ここは皆さんが酔っ払って寝ちまったところじゃないか」「へえ、みんなが寝ちゃったから私が寝ることが出来なくなっちゃった」

  2. 二十四孝」三代目 春風亭柳好
     長屋に乱暴者の男が住んでいました。いつも近所の者や女房・母親とケンカをしています。見かねた大家が、中国の親孝行者・二十四人の行いを伝える「二十四孝」から例をとって説教します。大家は池の氷の上にねそべって氷を溶かし継母のために鯉をとった王祥の話と、寒中に涙で雪を溶かし母親にタケノコを食べさせた孟宗の話と、貧乏で夏に蚊帳が吊れないので酒屋に行って体に酒を吹き付けて両親のそばで寝て蚊が自分だけを刺すようにした呉猛の話を聞かせます。  親孝行すれば大家が小遣いをくれることになったので、これを機会に小遣いを稼ごうといさんで家に帰りますが、途中で会った友達に先ほど大家から聞かされた親孝行の話をしますが、話がごっちゃになってしまい、話のおわりには藪の中から鯉が出てきて「それが二十四孝てんだ」。

  • 何年か前に東京の日中会館で本家中国の「二十四孝」を全ページに渡って展示しているのを見る機会がありました。二十四の親孝行の話を絵で説明しており、説明文は当然ながら漢文・中国語でした。想像力を掻き立てる絵と簡潔な漢文が記憶に残っています。(小生)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 川野一宇(Kawano-Kazuie)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 御神酒徳利」三代目 桂三木助
     馬喰町の大きな旅籠の番頭で善六さんという人が、暮れの大掃除の最中に家宝の御神酒徳利を水瓶の中に沈めたておいたのを忘れてしまう。家宝がなくなったというので店は大騒ぎ、一旦家へ帰ってきた善六さん、御神酒徳利を水瓶の中に入れっぱなしにしたままだったのを思い出す。正直に忘れた事を言い出せないまま、おかみさんから易(占い)の見方を教わるが、これが算盤占いで、生涯に三度だけピタリと当てられるという。算盤をパチパチと弾いて、うまく御神酒徳利を出して一件落着。
     御神酒徳利が見つかってお祝いをしていたら、たまたま旅籠へ泊まっていた大阪の鴻池の豪商の番頭に「主人・鴻池の娘さんが患っていて、それを算盤占いで見てもらいたい」とのこと。仕方なく鴻池の番頭と一緒に大阪へ行く事になった善六さん、途中神奈川宿へ一泊すると、その旅籠で島津様のお侍の紙入れがなくなったと大騒ぎ。また善六さんは紙入れ探しに借り出される。ところが盗んだ親孝行な女中がそっと名乗り出たのを、善六さんは上手くお稲荷さんのせいにして収める事が出来た。
     いよいよ大阪へやってくる。善六さん、今度は願懸けまでして何とかしようとすると、老人の姿をした神奈川のお稲荷さんが夢枕に現れ、「おまえのお蔭で大変な出世をした。何かお礼をしたい」と、鴻池に祟っている観音様の事を教えてくれる。善六さんが屋敷の下に埋まっている観音様を見つけてお祭りをすると、あっという間に娘さんは元気になった。
     大阪、京都の見物をして、神奈川の稲荷大明神にもお参りをし、お礼の三百両を貰って善六さんは江戸へ帰って来る。お上さんはその三百両を見て
    「これもみんな神奈川の稲荷大明神様のお蔭だね」
    「なぁーに、かかぁ大明神のお蔭よ」

    三代目 桂三木助(かつら・みきすけ、明治35年・1902年3月28日生まれ - 昭和36年・1961年1月16日死去)
     東京都文京区湯島出身の落語家。本名小林七郎(こばやししちろう)。

  • 善六さんのお上さんは算盤占いの娘で、口上も鮮やかに算盤占いを善六さんに教えていました。御神酒徳利といい、鴻池の娘さんの病気といいこんな機転の利くお上さんなら「かかぁ大明神」と言われても納得します。また、善六さんが神奈川の旅籠で紙入れを盗んだ親孝行な女中を助けてやったことが大阪で鴻池の娘さんの病気を治すことに繋がります。他人に良いことをするとその善根がめぐって自らに福をもたらしてくれるという心学に通じる話を分かりやすく説いているのも興味深いです。(小生)
  • この音源は古いせいか雑音が乗っているのと音がこもっている点が残念でした。(小生)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 須磨佳津江(Suma-Katsue)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 落語「文七元結(ぶんしちもっとい)」 五代目 古今亭志ん生
     左官の長兵衛は、腕は立つのだが、無類のばくち好き。仕事もせずに借金を抱えている。年の瀬も押し迫るある日、前夜の負けがこんで、身ぐるみ剥がれて半纏一枚で賭場から帰されると、女房のお兼が泣いている。聞くと、今年17になる娘のお久がいなくなったという。どうしたのかと、夫婦喧嘩をしているところに、普段より世話になっている吉原の女郎屋の大店、佐野槌(さのづち)から使いのものがくる。娘のお久が佐野槌の女将の所に身を寄せているという。
     女房の着物を一枚羽織って佐野槌へ行ってみると、お久は、身売りをして金を工面し、父に改心してもらいたいので、女将のところへ頼み込んだのだという。女将は、次の大晦日までに金を貸してやるが、大晦日を一日でも過ぎたら、女郎として店に出すという約束で、長兵衛に五十両の金を渡す。
     改心した長兵衛が、帰り道に吾妻橋にさしかかると、身投げをしようとしている男にでくわす。訳を聞くと、鼈甲問屋の奉公人(文七)で、売上金をすられたので、死んでお詫びをしようというところだった。文七は五十両ないと死ななければならないという。娘が女郎屋に身売りしてこしらえた五十両をその男にやってしまう。
     文七がおそるおそる主人の元に帰り、長兵衛からもらった金を差し出すと、「それはおかしい、お前が遣いにいった先で碁に熱中して、売り上げをそっくり忘れてきてしまったものを、先方は既に届けてくれて金はここにある、一体どこから、また別の五十両が現れたのか」と、主人が問いただすと、文七はことの顛末を白状する。
     翌日、鼈甲問屋の主人は何やら段取りを済ませ、文七をお供に長兵衛の長屋へと赴く。長兵衛に事の次第を説明し、五十両を返そうとするが、長兵衛は、なかなか受け取らないが、ようやく受け取る。主人は「またこれがご縁ですので文七を養子に、手前とも親戚付き合いを」と申し出る。さらに主人は「めでたいので、祝いの肴を用意した」と、表から呼び入れたのが、鼈甲問屋の主人が身請けをしたお久。
     後に、文七とお久が夫婦になり、近江屋から暖簾を分けてもらい、元結いの店を開き大層繁盛したというお噺し。

  2. 粋談 柳家三亀松
     三味線都都逸(どどいつ)がほとんど、色っぽい粋談の部分は無し。とてもクリアな録音でした。

1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 葛西聖司(Kasai-Sieji)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 初天神」六代目 三升家小勝
     亭主が初天神に行こうとすると、女房が子どもの金坊を連れて行けと言う。いつも物を買ってくれとせがむので駄目だと言っているうちに、金坊が帰ってきてしまう。今日は何も買わないとの約束で連れて行くことにする。
     道々、金坊は自分が何もねだらないことについて、親父に自分を褒めさせて、褒美に何かを買ってくれと言う。蜜柑、林檎、バナナをねだるが親父は全部ダメだという。仕方なく一番安い飴を買ってやるが、頭をたたいたはずみに呑み込んでしまう。
     お参りが済んだ帰り道、今度は凧を買ってくれという。凧を買った後、天満宮の隣に有る空き地に息子を連れて行く。凧揚げを楽しんだ昔を懐かしく思う親父は、自ら率先して凧を揚げる。金坊は自分にも凧を揚げさせてくれるよう懇願するが、凧揚げが楽しくて仕様が無い父は、一向に凧を渡そうとしない。無邪気に遊ぶ父の姿を見て呆れた息子は、
    「こんなことならおとっつぁん連れて来るんじゃなかった」

  2. 黄金の大黒」二代目 三遊亭百生
     長屋の一同に大家から呼び出しがかかった。長屋のみんなは、てっきり滞納で店立ての通告か、と戦々恐々。ところが、聞いてみるとさにあらず、子供たちが砂遊びをしていた時、大家のせがれが黄金の大黒さまを掘り出したという。めでたいことなので、長屋中でお祝いするからみんな一張羅を着てきてくれと大家の伝言。ごちそうになるのはいいが、一同、羽織なぞ持っていない。やっと一人が持っていたので、一人ずつかわるがわる羽織を着て、トンチンカンな祝いの口上を言いに行く。
     いよいよ待ちに待ったごちそう。おでんとビールが出てくると、つまみの豆はこうやって食べるといって手のひらに載せてポンと口に放り込む。ところが下手なものが豆を鼻に入れて大騒ぎ。そのうち、長屋の連中は、のめや歌えのドンチャン騒ぎ。
    「豊年じゃ豊年じゃ、米が一升三十銭」
    と大きな声で歌いだすと、床の間の大黒さまが、ひょこひょこと表に出ようとするので、見つけた大家が、
    「これこれ、お前さんがたが騒がしいゆうてな、大黒さまがお帰りになる。おおい、ちょっと静かにして下され」
    「いやいや亭主、心配すな。いま長屋の衆の歌を聞いているとな、『豊年じゃ豊年じゃ、米が一升三十銭』と言うた。あんまり安うならん先に、足で踏まえてる二表を売ってこうと思うたんや」


    6代目 三升家小勝(みますや・こかつ、明治41年・1908年8月3日生まれ - 昭和46年・1971年12月29日死去)
     東京出身。神田錦町の電機学校(現:東京電機大学)卒業後、東京市水道局(現:東京都水道局)に勤務し金町浄水場の技師を務めました。当時の落語家の中では珍しいインテリ出身でした。昭和5年(1930) 八代目桂文楽に入門、昭和12年(1937)5月 (二代目)桂右女助(かつらうめすけ)で真打に成ります。昭和31年(1956)3月 (二代目桂)右女助 改め 六代目三升家小勝と成りました。古典と新作の両方を演じ その明るい芸風で人気がありました。

    2代目 三遊亭百生(さんゆうてい・ひゃくしょう、明治28年・1895年10月3日生まれ - 昭和39年・1964年3月31日死去)
    大阪市南区(現:中央区)二ツ井戸出身の上方落語家。落語協会に所属していた。本名:小河真之介。出囃子は『都囃子』『野崎』。通称「ガーヤン」(前名の桂我蝶、桂我團治から)。1920年ごろまで大阪で落語家をしており、戦後のゴタゴタを経て、東京の落語家として復活。東京でも大阪でも上方落語を演じ続けた。

  • 初天神」は正月らしい噺です。そういえば今年はまだ凧揚げしていませんでした。(小生)
  • 黄金の大黒」を葛西アンカーは『こがねのだいこく』と読んでいましたが、一般的には『きんのだいこく』と読むようです。長屋の店子達がかわるがわる述べるお祝いの口上や祝いの席でのやることなすこと滑稽です。上方落語らしく、利にさとい大黒様がでてきました。(小生)
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 川野一宇(Kawano-Kazuie)さん

     ♪演目 playlist♪
  1. 牡丹燈籠』より「お札はがし」 林家彦六
     スタジオ録音。浪人の新三郎は田畑、貸家などを持っていて裕福です。屋敷内には下男下女としてともぞう、おみねが住んでいる。そこへ幽霊のお露と女中のお米が尋ねてくる。お露は新三郎に会いたいがお札がはってあり家に入れない。新三郎の家来のともぞうにお札をはがしてくれという。ともぞうの妻は入れ知恵をして、お札をはがす代償として幽霊から100両無心するようにけしかけた。幽霊のお露はともぞうに、お金は用意するけど旦那様(新三郎)が身に付けている仏像を取り外してくれとたのむ。ともぞうは行水にことかけて仏像をすり替えてしまった。  新三郎は人に死相が現れているというのでえらい坊さんに見て貰ったところ、幽霊が憑いているので陀羅尼経を唱えて部屋にお札を貼っておきなさいといわれたので、新三郎はそのいいつけを守っていた。  幽霊が来てともぞうに100両渡し、お札をはがした、二人の幽霊は顔を見合わせ、新三郎の宅へすうっと入っていった。  さて、100両もの大金を手に入れたともぞう、おみねの夫婦は人生の舵をぐいっと取り違えることになる。

  2. 「粋談」 柳家三亀松
     スタジオ録音。語りなし。全編端唄、芝居の物まねなど。江戸言葉で歌っていたのでよく聞き取れないところもありました。

    林家彦六(はやしや ひころく 明治28年・1895年、東京生まれ - 昭和57年・1982年1月29日に死去。享年86)
     芝居噺や怪談噺を得意とし、正蔵の名を更に高めた功労者。しゃがれ声、非常にスローなテンポの話し方などから、弟子の木久蔵が笑点で物まねをすることもある。

  • 柳家 三亀松(やなぎや みきまつ、明治34年・1901年9月生まれ - 昭和43年・1968年1月20日死去)
    都々逸、三味線漫談家、粋談。大正から昭和中期にかけて、活躍した。本名は伊藤亀太郎。享年66才。東京の木場の材木職人の家に生まれ、生家は芸事好きで幼少の頃から都々逸、長唄、小唄、新内節、清元節等の修行をし十代の後半に「流し」を始める、天狗連の芸人となり湊家亀松を名乗る。大正3年・1925年に初代柳家三語楼の門下となり、晴れて柳家三亀松と名乗る。映画漫談やお色気の音曲漫談等を始める。特にお色気の音曲漫談では『アハァ~ん』や『イヤァ~ん』等の女性の鼻の掛かった名文句で売り出す。
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 宮川泰夫(Miyakawa-Yasuo)さん

     ♪演目 playlist♪
  • 目黒のさんま」三代目 三遊亭金馬
     昔のお大名は下々のことを知りません。殿様が遠眼鏡で町人が煙草の火を借りているのを見たところ、「町人は気の毒だ、一つの煙草を二人で呑んでいる」とか、百姓が作った野菜は下肥が掛けてあるので味がしっかりしているが、「今食べている屋敷で取れた野菜の風味が薄いので、くるしゅうないこれに下肥を掛けて参れ」
     ある大名のお殿様が江戸城への登城・下城の途中で、町人の会話を聞いて世の中のいろんな情報を知り、それを他の大名や家来にだれかれかまわず話しかけます。このお殿様、性格はいいのですけれど、少々世間知らずのところがございまして、家来は毎日ヒヤヒヤしております。
     ある日殿様が馬に乗って遠出をします。そこへ、サンマを焼くいい匂いが……。当時、サンマは下魚として、身分のある人が食べるものではないといわれていました。しかし、お殿様は空腹にたえられず、家来に申しつけて、サンマを農家から買い受け、一口食べてみると、これがうまい。空腹ということもあったのでしょうが、脂が十分にのり、焼きたての旬のサンマ。これがまずいわけございません。
     さて、屋敷に帰ると、お膳が出るたびにサンマの味を思い出してしまいます。お殿様は駄々をこねて、サンマを食べたいと言い出します。
     家来が日本橋の魚河岸に仕入れにいって、極上のサンマをあつらえてきましたが、料理番が、脂の強い魚だから、もし体にでも障ったら一大事とサンマ蒸して、脂を抜き、小骨も全部抜いたから、形が崩れてしまいました。そのままでは出せないから団子にして、お椀にして、葛をいれてあんかけにしました。
     お殿様、出されたサンマを一口食してみたが、蒸して脂が抜いてあるからパサパサ。おいしいはずがありません。
    「これこれ、このサンマ、いずかたより取り寄せた?」
    「は、これは人を日本橋の魚河岸にやって求めた房州の本場にございます」
    「それはいかん。サンマは目黒に限る」

    三代目 三遊亭金馬(明治17年・1884年10月25日生まれ - 昭和39年・1964年11月8日死去)  芸風は明瞭で、「楷書で書いたような落語」といわれ、老若男女誰でも分かり易いと定評があった。今の金馬は四代目。


  • たいこ腹」六代目 春風亭柳橋
     人には楽しみがそれぞれあるようです。変わった遊びをしたいという方がいて、「針」をやってみようとしました。畳や空気マクラでは張り合いがないので、そこにいた猫に針をしてみますと、針をしょったまま怒って逃げてしまいます。
     ある旦那が幇間(たいこ)もちの一八(いっぱち)に目をつけ、針をしてみようと思いつきます。旦那はお茶屋に一八を呼び出し、「私は凝ったものがあるから協力してくれ」と何のことか明かさずに一八からまず承諾を取ろうとします。そこは幇間持ちの一八です、おっしゃらなくても旦那がやりたいことは分かっています、と旦那の趣味を野球だ、玉突きだ、ゴルフだ、小唄だと挙げていろいろよいしょします(ここがけっこうな聞かせ所になっています)。旦那は「針」を打つと言う。一八は自分の体に悪いところは無いからと逃げようとしますが、旦那は針を一本打てば1000円お前にやると言います。考えた末に一八は針を打ってもらうことにします。腹に何本か針を打つうちに、打った針が折れてしまいます。中に入って取れないからと迎え張りを打つことになります。するとその針も折れてしまいます。旦那は真っ青になり御茶屋から飛び出してしまいます。
     それを見たお茶屋の女将が心配になって二階へ上がってきます。女将が「旦那が顔色変えて出ていったよ、またしくじっちゃったのかい」と聞くと、一八は「旦那が針に凝っちゃって、これごらんなさい」。それを見た女将「冗談じゃないよそんなにされて。お前さんも散々鳴らした幇間(たいこ)じゃないか。いくらかなったのかい」。一八泣きべそをかきながら「いいえ皮が破けてなりません」

    六代目 春風亭 柳橋(しゅんぷうてい りゅうきょう、明治32年・1899年10月15日生まれ - 昭和54年・1979年5月16日死去)東京都文京区出身の江戸噺家。

  • 目黒のさんま」は去年の10月16日にも放送されました。ちょうど今ごろが季節です。小生も今シーズン2度食べました。(小生)
  • 一般的には、今では幇間(たいこ)の芸は落語の中でしか触れることは出来ません。一度この目でじかに見たいものです。(小生)
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