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このブログはNHKとは関係のない個人(私)が、NHK FMラジオで放送された「ラジオ深夜便」の一部の番組内容をメモとして残しておくことを目的としています。ほぼ毎日の内容を不定期に更新していきます。
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二宮尊徳 映画館色つき
1:00~2:00JST NHK Radio Program: "RADIO SHINNYABIN"
ラジオ深夜便 
アンカー Anchor 水野節彦(Mizuno-Sadahiko)

     ♪演目 playlist♪
  1.  「お直し」 五代目 古今亭志ん生
     花魁(おいらん)も歳を重ねてくると、お茶を挽くことが多くなる(客が付かない、どうしても人気がなくなる)。
    そんな日が続くうちに花魁は店の男衆の”ぎゅう”に親切にされ、”ぎゅう”に入れあげてしまった。色街での男女の交際は御法度になっている。そこは目の利くご主人だけあって、二人を奥に呼びだしてきつく意見をした。見世替えも出来ないだろうから、花魁は自由の身になったという証文を書いてあげるから二人一緒になってこの店で働きなさいと、優しい言葉を掛けてもらった。
     二人は次の日から店に出て、花魁は名前が変わり”おばさん”(やり手ばばあ)となって、客と花魁の仲を取り持つ事になった。亭主は表に出て嘘八百で客引きをして見世に上げ、入った客をおばさんが手玉にとって、持ち金を巻き上げて、一生懸命働いていた。
     夫婦で働いて小銭も貯まってきて、ゆとりも出てきた。女は生活に張りが出てきたが、男は逆にこの金で・・・、と別の場所で女遊びをするようになった。男は夜遊びが過ぎてその挙げ句、バクチにも手を出して深みにはまってしまった。その為見世にも出ず、家財を売り払って、女房も義理が悪くなって見世も辞めてしまった。今更、目が覚めたと言ったって、どうしようもないとこまで落ちてしまった。
     男は友人から羅生門河岸の「けころ」の見世に空いたのがあるから、そこで稼いだらどうだと知恵をつけられてきた。女房に話をして、店の若い衆は男とがやり、女房を口説いてけころの女をやらせることになった。女房はしぶしぶ引き受けて,「けころ」の商売のやり方を男に教えた。
     まず、客にお愛想を言いながら、200文のところ「お直しだよ」と声を掛けて400文にし、またお直しと言って600文というように上げていく。そうやって値段を上げていく。しかし女房は男がヤキモチやきだからうまくできるか心配している。女房の方も見栄も外聞も捨てて、厚化粧して見世に立った。
     見世は羅生門河岸の「けころ」と言われるところで、路地を入ると両側に女が立っていて、客引きをしている。そのなかの一つを借りてで商売を始めた。
     男は路地で客引きをして、何人目かで職人を連れ込んだ。「けころ」になった女房は職人といちゃつき始めて、「よそで浮気ナンぞをしたら嫌だよ。お前さんが好きだから。」それを聴いた亭主は表でふてくされ、ヤキモチ焼いて「お直しだよ。直してもらいな」と声をかける。女房は客の職人に向って「直して頂戴。私はお前さんと夫婦になりたいよ。」、職人「俺は良いよ。俺は一人もんだから。で、どの位借金があるんだ」、「30両」、「その位なら今度来る時、持ってきて上げるよ」。男はふてくされて「お直しだよ」。職人「分かったよ」、女房「私はお前さんにぶたれたって、殺されたっていいよ」、「俺はそんなことしないよ。そっとぶつよ」。男「直してもらいな」。女房「お直しだよ」、職人「分かった。今度はあさって来るからな」。
     やきもち焼きの男は、あの職人が30両持ってきたら女房は朝男と夫婦になるのかと本気で怒り出す。女房は仕方が無いからやっているんじゃないか、お前さんと別れたくないからやっているんじゃないかと泣き出す。男も機嫌を直して夫婦が仲良く相談していると、一旦出て行った先ほどの酔っぱらいが戻ってきて、中を覗いて、
    「直してもらいな」。

  • 古今亭志ん生が明治時代に遊んだ吉原のエピソードを枕にしていました。噺の初め3分の1ほどが枕でした。(小生)
  • けころ」は現在で言えばぼったくり風俗営業になるでしょうか。しっかり者の女房と間抜けな男が、好ましい夫婦として江戸の遊郭の隅に暮らしている様子が語られています。(小生)
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