1:00〜2:00JST 花が好き自然が好き Flower, Nature
アンカー Anchor: 須磨佳津江(Suma-Katsue) さん
塚谷裕一(つかや ひろかず)さん
東京大学大学院教授(植物学)
1964年、神奈川県生まれ。植物学者。東京大学大学院理学系研究所博士課程修了、博士(理学)。東京大学分子細胞生物学研究所・助手などを経て現職。分子生物学専攻、植物の形ができあがるしくみを研究。
文学と植物との関わりにも興味があり、1993年の『漱石の白くない白百合』(文藝春秋)をはじめ、植物を中心としたエッセイを書いている。『花の名随筆』(作品社)で監修者。『植物巡礼』(岩波文庫)訳書。『植物のこころ』(岩波新書)著者。
・泉鏡花 「二、三羽‐‐十二、三羽」
小説の中に ごくごんごま という植物が出てくる。ごんごんごま=ヤブガラシ ではないかと考えている。今では関東以北にはヤブガラシはいたるところにある。日本に元々あった華奢な関西のヤブガラシはめったに見られない。花を良く見てみると「こま」のように見える。
泉鏡花以降は余り植物のことが文学の題材として取り上げられなくなった。江戸時代から泉鏡花までは植物のことが良く小説に出てきていた。
・夏目漱石 「それから」
白百合 現在では、しらゆりといえば テッポウユリ、カサブランカ になる。ここに出てくる白百合は「ヤマユリ」だろう。甘い香りが強い。花びらは大きく白いが、花びらの中に黄色い筋があり、赤い斑点もある。ちょっと遠くから見ると白い百合の花ように見える。白い花=純潔 しかし良く見ると完全に白ではない。小説の筋も暗示している。
・夏目漱石 「三四郎」
温州みかん 友人のお見舞いに温州みかんを持っていった。そのころ種のないみかんが普及し始めた。珍しかった。
・三島由紀夫 「金閣寺」
杜若(かきつばた) 主人公が友人にそそのかされて、金閣寺に咲くかきつばたを盗みに行くところから放火にいたる。カキツバタが金閣寺に象徴化されている。端正な花でないと金閣寺に例えられない。
・俳句の季語がずれている
ゆきのした(花期は初夏だが、冬の季語)、ねぎ(葱坊主は春の終わりだが、二月の季語)
明治初期に植物・博物学として注目されたが、最近の小説には花が出てこない。豊かな植物に囲まれた日本であるが、それ以降は日本人の心が花から離れていった。
泉鏡花 「二、三羽‐‐十二、三羽」こちら→ http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/1037_20651.html
アンカー Anchor: 須磨佳津江(Suma-Katsue) さん
塚谷裕一(つかや ひろかず)さん
東京大学大学院教授(植物学)
1964年、神奈川県生まれ。植物学者。東京大学大学院理学系研究所博士課程修了、博士(理学)。東京大学分子細胞生物学研究所・助手などを経て現職。分子生物学専攻、植物の形ができあがるしくみを研究。
文学と植物との関わりにも興味があり、1993年の『漱石の白くない白百合』(文藝春秋)をはじめ、植物を中心としたエッセイを書いている。『花の名随筆』(作品社)で監修者。『植物巡礼』(岩波文庫)訳書。『植物のこころ』(岩波新書)著者。
・泉鏡花 「二、三羽‐‐十二、三羽」
小説の中に ごくごんごま という植物が出てくる。ごんごんごま=ヤブガラシ ではないかと考えている。今では関東以北にはヤブガラシはいたるところにある。日本に元々あった華奢な関西のヤブガラシはめったに見られない。花を良く見てみると「こま」のように見える。
泉鏡花以降は余り植物のことが文学の題材として取り上げられなくなった。江戸時代から泉鏡花までは植物のことが良く小説に出てきていた。
・夏目漱石 「それから」
白百合 現在では、しらゆりといえば テッポウユリ、カサブランカ になる。ここに出てくる白百合は「ヤマユリ」だろう。甘い香りが強い。花びらは大きく白いが、花びらの中に黄色い筋があり、赤い斑点もある。ちょっと遠くから見ると白い百合の花ように見える。白い花=純潔 しかし良く見ると完全に白ではない。小説の筋も暗示している。
・夏目漱石 「三四郎」
温州みかん 友人のお見舞いに温州みかんを持っていった。そのころ種のないみかんが普及し始めた。珍しかった。
・三島由紀夫 「金閣寺」
杜若(かきつばた) 主人公が友人にそそのかされて、金閣寺に咲くかきつばたを盗みに行くところから放火にいたる。カキツバタが金閣寺に象徴化されている。端正な花でないと金閣寺に例えられない。
・俳句の季語がずれている
ゆきのした(花期は初夏だが、冬の季語)、ねぎ(葱坊主は春の終わりだが、二月の季語)
明治初期に植物・博物学として注目されたが、最近の小説には花が出てこない。豊かな植物に囲まれた日本であるが、それ以降は日本人の心が花から離れていった。
泉鏡花 「二、三羽‐‐十二、三羽」こちら→ http://www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/1037_20651.html
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